ロヒンギャ難民キャンプで、新型コロナウイルスの感染予防法を伝える健康指導員

SDGs達成に向け、
私たちが社会のためにできること

米良 彰子さん世界の医療団日本 事務局長
柳生 忠勝小豆島ヘルシーランド株式会社 取締役副社長
2015年に国連でSDGs(エスディージーズ)が採択されました。
SDGsとは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。17のゴール・169のターゲットから構成されています。

今、徐々に認知度が高まりつつあるこの目標を世界が達成するために、私たちに何ができるのか? SDGs市民社会ネットワークの開発ユニットでも活動している、世界の医療団 日本の事務局長の米良さんにお話を伺いました。
世界の医療団日本 事務局長 米良 彰子さん
小豆島ヘルシーランド株式会社 取締役副社長 柳生 忠勝
米良さん: 日本は「飽食の時代」と言われていますが、世界的に見ると飢餓人口は増えています。また、これだけ薬が開発されているのに実は成人病が先進国だけではなく開発途上国でも増えています。環境的なことでいうとプラスチック削減が話題になっています。そこまでしなければだめなくらい、世界は持続不能な社会になってきている。だからサステナブル(持続可能な)世界を目指そう、とSDGsができた時、「我々の世界を変革する」というのがタイトルになりました。本当に変えていかないとまずいぞと。世界各国の危機感から生まれたんですね。

例えば、日本でも「子ども食堂」の活動が広がるなど、十分な食事を確保できない人が増えています。開発途上国だと病院に行くまで何キロも歩かなければならないなど病院に行くこと事態が難しかったりする。SDGsは理想的な目標を掲げているわけではなく、みんなが健康に暮らすために最低限やらなくてはならないことが網羅されているんです。他人事ではなく、ひとり一人が自分のことと考え、すぐにでも変革しないととても厳しい状況です。日本でも世界でも抱えている課題は同じと考えなくてはならないと思います。
柳生: 私がSDGsに取り組むきっかけになったのは、JC(日本青年会議所)が「SDGsを日本で一番推進する団体になろう」と2019年に採択したことです。日本中にSDGsを広めていこうという活動に参加し、自分自身も勉強し、共感する部分が多く、会社としても取り組むことをスタートしました。JCとしては途上国にマラリア防止のための蚊帳を贈るなど、以前からMDGs(SDGsの前身)へも協力をしていましたが、現在はジェンダー、貧困、環境など様々な問題にも取り組むようになりました。
米良さん: どんな活動をされているのですか?
柳生: まずは現在、社内で日々自分たちが行っていることをSDGsの17の目標に当てはめてみることからスタートし、SDGsの達成に向けて私たちが企業としてできることは何だろうとみんなで考えています。解決のためにはどうすればいいか、少しずつですがチャレンジしています。

例えば、当社ではオリーブ栽培に除草剤は使いません。土地や海への影響を考えると、除草剤をまくことはできないです。ずっと続けていることですが、SDGsの目標に当てはめると14「海の豊かさを守ろう」・15「陸の豊かさも守ろう」になるかと思います。このように自分たちが現在行っていることがSDGsの目標の何番に当てはまるかを考えることからスタートすると、SDGsへの取り組みも着手はそんなに難しいことではないのではないかと思います。

また、目標3「すべての人に健康と福祉を」では、オリーヴ健康科学研究所を自社で設立して、オリーブの美容・健康効果を研究しています。なぜオリーブが健康に良いのか、どうすればオリーブの力を引き出せるのかを究めることが目標です。
米良さん: SDGsの実現には、5つのP「People(人)、Planet(地球)、Prosperity(繁栄)、Peace(平和)、Partnership(パートナーシップ)」が大切といわれています。持続可能にするためには経済と社会面、環境を調和させないと実現できないし、持続可能にはならないんですね。お話をうかがって、小豆島ヘルシーランドさんは自然にその5つができていると感じました。
柳生: ありがとうございます。当社では多くのオリーブ商品を販売していますが、いい商品をお届けするには良い環境が必須なので、自然にビジネスとの両立ができているのではないかと思います。企業なので適正な利益を出し続けることが必要ですが、短期的な合理性だけを求めていては長く繁栄していくことはできません。300年続くオリーブの森をつくり守るには、今後もさまざまな選択が必要になると思いますが、SDGsの17の目標は日々の活動の指針になると感じています。
米良さん: SDGsの前文で「誰ひとり取り残さない」ことを誓っていますが、これは非常に重要なことです。普通にしていたら誰かが取り残されてしまうということですから。世界中の誰もが、本当に誰も取り残していないかといつも後ろを振り向くような、そういう意識で取り組むことが大切だと思います。

日本の場合を少しお話すると、世界の医療団では「ハウジングファースト東京プロジェクト」という事業で、ホームレス状態の方々向けに、月に2回、無料医療相談会を開催していますが、路上生活を余儀なくされている人々は情報から取り残される場合も多く、新型コロナウイルス自体を知らなかった方もいました。新型コロナウイルス自体を知らないので、予防すること、またその方法も知らないんですね。世界の医療団では、液体せっけん、手指消毒薬、マスクと、心配な場合の行政窓口などの連絡先をセットにした感染予防キットを作り、2週間に1回、お声かけしながら配布して、感染予防を呼び掛けています。
柳生: 日本でもそれだけの情報格差があるというのは驚きです。
新型コロナウイルス感染予防キット
池袋で開催されている無料医療相談会
米良さん: 世界においては、状況はもっと厳しいです。バングラデシュにあるロヒンギャ難民キャンプでは3密を避けることがそもそも不可能で、コロナに限らず病気が蔓延しやすい環境にあります。キャンプ内では、しばしばインターネットの通信制限が課されており、正しい情報を得るのは困難です。例えば、国外から支援に来た医師ではなく、祈祷師にお願いしないと治らないと信じている人もいます。

日本にいるとTVやネットですぐに情報を入手することができますが、難民キャンプでは情報が入らず、むしろデマが広がる。そういう場所でのもっとも大きな活動は、予防のための啓発・教育活動だと言えます。
柳生: 具体的にはどのような啓発・教育活動を行われているのですか。
米良さん: 文字が苦手な方も多いので、子どもはもちろん大人たちにも絵で描いたフリップチャートを配って予防の方法などを教えています。また、非接触で伝達するため、ハンドスピーカーにメッセージを録音し音で伝えるなど、伝え方も工夫しています。

そして誰がメッセージを発するかもとても大事です。ロヒンギャの若者たちも伝える活動をしてくれていますが、ロヒンギャ族はイスラム教徒なので、影響力のある宗教指導者などから伝えてもらうことが大切になります。
わかりやすく“絵”で感染予防法を伝えます。
ハンドスピーカーを使って“音”で感染予防を呼びかけます。
柳生: 具日本では、個人に知ってもらうとき、理想や意義を声高らかに言えば言うほど、一般の方々は冷めていくという傾向があるような気がします。どう伝えればいいか難しいと思うこともあるのですが、新たに難しい取り組みをするのではなく、今までやっていることが実はSDGsにつながっているというところから始めるのがいいのではないかと思います。
米良さん: SDGSが日本の受験問題に出たとき、世界の医療団への問い合わせが増加しました。受験に出るから興味を持ったということがいいかどうかは別にして、そういうところからでも広がっていくのはいいことではないでしょうか。SDGsの17の目標を達成するために、現在から2030年までの道のりを体験するカードゲームもあるので、そういう形で小学校など学校教育の場で学んでもらうというのもいいかもしれません。

例えば、モノを買う時、漫然と何かを買うのではなく、「どんな取り組みをしている企業の製品を買うか」を自分で選ぶことが自分の意見の表明になるような気がします。「いいなと思う活動をしている企業の製品を買って、その企業を応援する、つまりその企業が取り組んでいるSDGsへの取り組みに自分も加わる」というのが、一般人としてもっとも簡単にできるSDGsへの取り組みかもしれません。消費者が変われば、企業の活動も変わります。結果的にSDGsが促進されることになりますね。
柳生: 私は最近、関わる人を増やしていくことによって、取り組みが持続可能になると感じています。「早く行くならひとりで行け、遠くへ行くならみんなで行け」というアフリカのことわざがありますが、これからはそういう時代だと思っています。大きなゴールに向けて歩み続けるために、SDGs目標17「パートナーシップ」をとくに意識するようになりました。自分ですべて行うのではなく、誰かに託すということも、とてもいい考えだと思います。
米良さん: 世界の医療団には、“医療を世界中に届ける”というスキルがあります。個人の想いを私たちに託してもらうことで、医療が世界に広まります。それは誰もができる一歩です。世界の医療団に皆さんの思いをぜひ託してください。

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ポストカードの例 ポストカードの例
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